2020年5月アーカイブ
7:45分頃の教室の様子です。教室の生徒はまばらですが、本日の青空のように、心和む話題がありました。
1年1組では、学教目標を作製する姿がありました。目標は「ひだまり」です。どんな意味かと問いかけると、「太陽があたって、ぽかぽかする感じです。」と応えてくれました。「今のクラスの雰囲気は、ひだまりですか。」と、ちょっと意地悪な質問をしましたが、笑顔で明るくハッキリと、「ひだまりです。」と応えてくれました。嬉しかったです。
3年1組では、生徒会役員が月曜日の生徒総会の打合せをしていました。意気込みが感じられます。
3年3組では、朝学習に取り組んでいました。数学のワークをしている生徒に、「数学は好きですか。」と、またちょっと意地悪な質問をしましたが、「好きです。」と笑顔で応えてくれました。担任は数学科の教師です。指導の賜だと感じました。それぞれが、0時間目を有意義に過ごしていました。
臨時休業中には、各教科から課題が出されました。2年生廊下の学習成果物掲示板に貼られていた臨時休業中のレポート(写真)に、釘付けになりました。「それぞれが自分できちんと調べ考え、見る側の視点に立ってまとめられた出色の出来栄えです。」と理科教諭からのコメントでした。
また、掲示板にある本校の校訓の一つ「真理の探究」にも目を奪われました。「真理の探究」を掲示した教諭に理由を聞くと、「勉強の好きな子がたくさんいます。力を伸ばしてやりたい。」という頼もしいことばでした。本校校訓「真理の探究」「自他の敬愛」「万人の幸福」、いつの時代でも求められる姿です。東中生がこれに向かい、一歩一歩成長していけるよう指導・支援をしなければと改めて思う場面でした。
5月17日(日)の昼過ぎ、学校再開を控え校舎内の巡回をしていたところ、玄関・生徒昇降口付近から、落ち葉を掃く竹箒の音が聞こえてきました。そこには、3人の若者の姿がありました。
本校卒業生で、2009年度島根県優勝野球大会優勝時のメンバーでした。その内一人は現在本校の教諭です。3人は、トレーニングのために、学校周辺をランニングしていたとのこと。ランニング後、母校のために何かできることはないかとの相談になり、明日からの学校再開に向けて、落ち葉を掃こうということになったようです。
私から、「ありがとうございます。」とお礼のことばを言うと、「いいえ、どういたしまして。」と爽やかに返してくれました。地域のすばらしさと、当時の教職員の教育の賜だと感じました。「将来を担う生徒の育成」、われわれの使命について考えさせられました。
卒業生の皆さん、ありがとうございました。
昨日掲載しました「巣ごもり」は、本日の山陰中央新報12面に、「校庭の鳥の卵かえる日願う」と題して掲載されました。
「校庭の鳥の卵かえる日願う」に続編がありますので、ぜひお読みください。
「校庭の鳥の卵かえる日願う 続編2」
卵発見の翌日、勤務の合間に教員が様子を見に来ていた。そして、「へえ、地面に卵を産むのですね。」「休校中にヒナになるといいですね。」と話し、卵の無事を祈っていた。
すると、その日の夕方、Oさんから驚くような写真が届いた。クローバーの下の目立たない卵ではなく、地上に、堂々と四個の卵が鎮座していた。私は瞬時に、草刈りで誤って巣が壊れ、例の卵が、誰かの手で動かされ、表に出されたのだと勝手に思い込んだ。
その後、「新たにIさんが発見!昨日の場所のすぐ近く!」とあった。一度目は校務員のNさん、二度目はIさんの発見だったのだ。
そういえば、昨日、青空で鳴くヒバリは二羽いて、特に一羽は歌声が美しく堂々としていた。その鳥の名前は美空ひばり。「雨に降られて ぬかるんだ道でも いつかは また 晴れる日が来るから」と「川の流れのように」を唄う不死鳥。あ、また妄想癖が始まった。
「校庭の鳥の卵かえる日願う 続編3」
2カ所目の卵発見から三日目、M先生から、「一つの巣が空っぽです。周りに殻がなく、巣立ったようではありません。何者かに食べられたのでは・・。」と送られてきて、写真を見ると、後で見つかった美空ひばりの四個は何事もなく鎮座していたが、穴を掘って慎重に作られた巣は、卵だけがなくなっていた。
その日の夕方、校庭へ出かけて様子を見た。巣の周りをくまなく探した。何者かに食べられたとすれば、ヘビか、野犬か、カラスか。今回研究担当のSさんによると、殻がないことから、ヘビの可能性が高いということだった。あれだけ、大きい声で鳴いていたヒバリの声が、この日は聞こえなかった。
これが、自然界の現実だ。八つあるうちの四個はなくなった。ただ、それだけの話だ。しかし、もう四個の卵は、日を浴びながら、地上で孵化の日を待つ。今は悲しみに軸足を置きながら、残り四個の卵に希望を託した。
5月16日(土)現在、ヒバリ?(コチドリ?)は孵化していません。
Flapping in the sky!を祈るばかりです。
臨時休業中の校内の「ほっこり」する話題を、本校Y教諭がエッセイとして山陰中央新報社「こだま欄」に投稿したところ、取材があり、5月14日(木)山陰中央新報社23面に記事として掲載されました。学校の主人公である生徒がいなくなり教職員の心に「ぽっかり」と大きな穴があいていたところに、「ほっこり」とした話題で心が癒やされました。「こだま欄」に投稿した記事は、新聞には掲載されていませんのでここで紹介します。
【巣ごもり】
学校が新型コロナ感染予防で臨時休業になって10日が経った月曜日、校庭に草刈り機の音が響く中でニュースが飛び込んできた。「校庭の地面に、鳥の卵が!」
写真を見て驚き、現場に行ってさらに驚いた。いつもなら、部活動や体育で生徒が走り回っている校庭でクローバーの葉の陰に目立たないように穴を掘り、枝葉のクッションの上に四個の褐色の卵がきれいに並んでいた。青空を見上げると、ヒバリが一羽、大きな声で、「私が見つけた大事な巣を、そっとしておいて」と私に鳴いて伝えているように思えた。
緊急事態宣言が出て明日で三週間。連日、感染者数や死者の数が報道されている。学校の登校再開までにヒナが孵るといいが。一羽のヒバリが、四つ葉のクローバーと愛の巣に守られた卵の無事を上空で祈りながら、私たち人間に「ステイホーム!」と叫んでいる。今は、人間が巣ごもりをする番だ。