学校保健委員会として,「電子メディアの長時間接触及びその内容が子どもの発達・学力に与える影響」をテーマに,講師の先生をお招きして講演会を開催しました。
PTA会員の皆さんのほかに,5・6年生も参加して,PTA保体部の活動の一つとして取り組みました。
講師には,「島根の子どもとメディアを考える会」代表で,松江市教育委員会勤務で「松江市『子どもとメディア』対策協議会」の事務局をされている伊藤紀子先生に来ていただきました。
子どもたちとの応答を交えながら,たくさんのメディア機器が身の回りにある時代,メディア漬けの生活がどんな影響を及ぼすかを考えました。ネット依存,ゲーム依存になっている園児・児童・生徒が問題になっているそうです。
脳の中の前頭前野の働きとして,聞く,話す,考える,覚える,相手の気持ちが分かる,未来を予測することができる,ブレーキをかけることができるということがあります。
ゲームに依存しすぎるとドーパミンという物質がたくさん分泌され,ゲームをやめられなくなり,依存症になるとキレやすくなったり不安になったりすることが多くなるそうです。最近の事件も例に挙げて,話されました。
夜更かしをして,明るい中でいつまでもいるとメラトニンが出にくくなり,明くる日の活動がしっかりできにくくなります。メラトニンがたくさん出ると成長ホルモンもたくさん出ます。いい睡眠をとることがたくさん成長ホルモンが出ることにつながっていきます。
依存症にならないように,自分の生活を振り返り,自分の生活を改善していくことが大切です。
体と心の元気4ヵ条として次のことを習いました。
★夜(寝るとき)は部屋を暗くする。
★夜は遅くても10時には寝る。
★朝,日光を浴びて,(遅くても)6時半には起きる。
★食事はきちんと3回とり,朝ご飯は必ず食べる。
手先を使ったお手伝いの大切さ,昔から伝わる遊びである,あやとり,けん玉などがとても大切であるとも話されました。そのような遊びで脳が育つそうです。
最後に,一人一人がメディアについての取り組み方を考え,代表が宣言しました。
「お母さんやおばあさんの料理の手伝いをします」「折り紙をします」「テレビとゲームの時間を合わせて2時間半以内にします」「ゲームの時間を7時までにします」等の宣言をしました。
児童が退出したあと,保護者向けに15分ほどの話がありました。
スマホの利用時間と学力テスト(数学)の結果に,明らかな相関関係が見られるという話がありました。スマホの利用時間が1時間以内だと大きな影響はないようです。自分でコントロールできることが必要なのです。
天才少年といわれた大川翔くんの母親の子育ての特徴について,
・言葉(たくさんしゃべらせた) ・記憶訓練(論語の暗唱)
・手や指を使った手伝い
・居間での勉強(小さい頃は勉強部屋は必要ない)
・睡眠の確保 ⇒ 一番よく言われたのは「早く寝ろ!」
と教えてもらいました。
悩みを感じたとき,親に相談できるような子育て,親子の人間関係を築いてほしいとも言われました。
褒めること,ありがとうと感謝の気持ちを伝えること(自尊感情につながる)などもとても大切であることなど,とても感慨深い話をたくさん聞きました。
最後に言われたのは,「スマホの所有権・管理権は親にある」ということでした。買うのなら,しっかり責任を持って,子どもには貸しているだけであることを再確認したいものです。